群龍天に在り(webディレクターと歴史好きの雑記帳)

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八幡和郎氏「江戸時代は良かったと信じたい理由ベスト10」への疑問

http://agora-web.jp/archives/2033227.html
魚拓 https://megalodon.jp/2018-0617-2315-51/agora-web.jp/archives/2033227.html

おかしな点が多いように思う。

①江戸時代の「美点」とされているものは関ケ原以前からあったものばかり

>日本の民度が高いなどと言うことは、魏志倭人伝にすでに出ている。また、仮名をほとんどの人が読み>書きするというのはザビエルの報告にあるのだから、江戸時代の功績ではない。むしろ、安土桃山時代>の日本は世界の先進国だったが、江戸時代後半になると世界から落伍した三流国になっていた。

魏志倭人伝はあてにならない史料だというのは岡田英弘氏らの主張でかなり受け入れられているはずで、それを根拠にするのは正直苦しいと思う。ザビエルの報告は薩摩と長州という当時の先進地域の住民の話だし、日本全体で見ればどうなのだろうか。
むしろ、安土桃山時代の日本は世界の先進国だったが、江戸時代後半になると世界から落伍した三流国になっていた。」の根拠も良くわからない。一橋大学の高島正憲氏の研究だと

成長の画期は中世後期,近世前期および後期にみられ,戦国期の大名領国支配期,徳川幕府の成立による社会経済の安定期,プロト工業化と農村工業によ る市場の発展期と,それぞれ異なった条件下による経済成長がおこっている。」

としている。(https://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/rs/bitstream/10086/28172/1/eco020201600404.pdf)

>戦後史観では明治日本をけないしたいから、その成果を強調するために江戸時代の日本も悪くなかったと言いたい。

まず誤字、「けなしたいから」だと思うが。
「戦後史観」も良くわからない。戦後すぐに書かれた羽仁五郎の「明治維新」(岩波新書)は江戸時代を暗黒時代のように書いている本なのだが。

武士道とか陽明学とかは江戸時代に現代人が理解しているような形では普及しておらず、明治になって創り上げられたものだが、あたかもそういうものが、江戸時代から合ったような錯覚がある。

また誤字である。「有ったような」でしょうね。この媒体は校閲がないのだろうか。
陽明学については二松学舎大学が江戸時代の各藩の陽明学者の叢書を出しているのだがご存じないのだろうか。
武士道についても笠谷和比古氏の研究を見た形跡がない。あれを見る限りかなり地方の藩でも武士道らしき考え方があるように思うのですが。

元なんとか藩士だったとか家老だったとか言うのは、極めて高い割合で嘘で、足軽だったとか親戚のことだったりする。

これも根拠があるのだろうか。どうも、元武士の人たちへの名誉毀損のような気がするのだが。

偽藩校の高校などが多い

>東京での栄達ができなかった武士の多くは教師などになって藩政時代への憬れを語った。また、公立>高校などで本当は関係ないのに藩校の後裔だと称するところが多い。

これも根拠とどこの高校か実名を上げていただきたいところである。

第二十六回文学フリマ東京イベントレポート

午後一時、会場に一歩足を踏み入れた時、正直言って驚いた。

入り口で係の方がバッグを配っていたので「これ、意外と大きいイベントなんだろうか」 と思い、会場の中に入ったらコミケもビックリのスペースがずらりと並んでいた。

私はここまで盛大な催し物だと思わなかったので、この時点で気圧されたというのが正直なところだ。 おまけに駅から歩いていた人は殆ど男性だったので、会場内に女性が多いので益々驚かされた。 普段、広告業界で切った張ったの殺伐とした人生を送っている身としては「伝説の女流文学者が、こんなに!こんなに!」とカルチャーギャップを覚えたものである。周りに小説好きはいても、実作までやっている人は少ないからね。

以下は買った本を中心に。

文学フリマで購入した本11冊を今すべて読み終わった。鬼だったのは全作家協会さん(http://zensakka.world.coocan.jp/ )「全作家短編集」2冊で、一冊に26本くらいの短編が入っている。これは読み切るのが大変であった。 全作家協会の方は「いやー、持って帰るのもナンですからね…これも持っていってよ」と3冊おまけしてくれたのだが、これはありがたいことであった。

この全作家協会さんは元々「全国同人雑誌作家協会」といい、あの丹羽文雄先生が初代会長という同人作家の超老舗である。

腰を抜かしたのは、私の恩師が作中に登場していたことだった。どうも昭和40年代に信州の文芸同人に入っていたらしい。 崎村裕氏の『わが愛のれくいえむ』に出てくる。

この頃の文芸同人はかなりおっかないところだったらしい。

崎村裕氏は「ヨーロッパ旅行中に変わった墓石を見た話を作品に書いたところ、『ものを書く人間が無知をさらけ出すとは何事だ。和辻哲郎の風土を読んだのか!』と編集担当者に大声で言われて口論になった」のだそうである。
今のツイッター批評空間など昭和の文芸に比べれば随分おとなしいものである。

 祖慶實氏の『松平外記異聞』「全作家短編集」第16巻所収)はおそらく文フリに行かなければ巡り会えなかった小説だろう。 おそらく江戸時代の松平外記事件(千代田の刃傷)を扱った最初の小説ではあるまいか。

幕末の幕臣・松平外記忠寛(まつだいら・げき・ただひろ)が文政6年(1823年)、江戸城内で勤務中、同僚のイジメに耐えかねて相手を斬り殺した「松平外記事件」は、私も書こうとしたことがあったがあまりにも陰惨なのでどうにも手がつけられなかった。

祖慶實氏は練達の筆運びでなんとか救いをもたせるような方向と、途中の陰惨な武家社会を見事に描いている。調べたら松竹シナリオ研究所に居られた方のようだ。どうもずば抜けている。

さて、別のサークルに目を転じよう。

湯ノ浦ユウさんの「25th Avenue」はとても優しいメルヘンの小品で、忘れていた子供の頃のあの温かい情景を思い起こさせるものであった。作中の二十四番街、二十五番街は24歳、25歳の象徴なのだろうが、ほとんど美しい詩のような中に、過ぎ去った年の失われた可能性と、まだ見ぬ年の淡い期待が表現されている。これはどう見たって無骨者の私には書けないたぐいの小説であって、湯ノ浦ユウさんの才能がよく表現されていると思う。

清水恵利子さんの「はけない」は、乙女心と好きでもない男からのキモイ行動が描かれており、男の私にはギョッとする内容であった。生活描写も非常にリアリティが有り、あたかも眼前でこれらのことが繰り広げられたような気がしたものであった。すごい女流作家がいるものである。

田直(酔翁)さんの「蓬莱同楽集」は昭和に断絶した漢詩文を復興させる狼煙のような驚くべき一冊で、文学フリマもここまで幅が広いのかと驚かされた。人気美少女ゲームを題材にした漢詩など誠に前代未聞であろう。個人的にほぼ同郷の飯田周庵さんが悲憤されている茨城県の原状など、全く個人的に「そうなんだよ!ほんとうにそうなんだよ!」と思わざるを得なかった。

それにしても、文学フリマもここまで懐が広いイベントであったかとつくづく驚嘆してばかりであった。これまで会を続けられた関係各位には頭が下がる。

考察・鳩羽つぐ~昭和未解決事件説を追う~



バーチャルユーチューバー・鳩羽つぐについては、ネット上でいろいろな考察が出ているが、どういうわけか「西荻窪に住んでいます」という彼女のセリフと、彼女の服装から当然出てくるだろう考察がネット上で全く出てこないのはフシギである。

松本清張とか意外と今は知られていないのだろうか。

西荻窪と言えば東京都杉並区の廃止地名、そして杉並区の昭和の未解決事件と言えば1959年(昭和34年)に起きた善福寺川殺人事件(BOACスチュワーデス殺人事件)だと思うんですけどね。

BOACスチュワーデス殺人事件というのは、1959年(昭和34年)3月10日の午前7時40分頃に当時27歳のスチュワーデス(現在のキャビンアテンダント)の女性が杉並区善福寺川で遺体で発見された事件で、死因が他殺だったことから当時は大騒動になった。

重要参考人が取調べ中に病気療養のため出国しており未解決事件となっている。

BOACスチュワーデス殺人事件

松本清張の『黒い福音』のモデルになった事件であり、『松本清張 黒い福音〜国際線スチュワーデス殺人事件〜』として2014年にテレビ朝日でドラマ化されている。 鳩羽つぐちゃんの服装は白と黒の喪服を思わせるものであるし、更にどことなく昭和のスチュワーデスぽいように思うんですよね。

バーチャルユーチューバーはもちろん造り手がいるわけで、多分この事件をモチーフにしているのかなあと思うんですけどね。
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