漢籍おぼえがきー歴史書(編年体)篇


目次

資治通鑑
資治通鑑本末
通鑑続編
十八史略
読通鑑論
文史通義
編年体の歴史書とは?


紀伝体に対するものが編年体である。辞書『大辞泉』を引くとこうある。

歴史記述の形式の一。年月の順を追って事実の発生・発展を記述するもの。中国の「春秋」に始まる。

要するに、我々が普通に読む歴史書の体裁が編年体である。編年体は『大辞泉』にあるように『春秋』を嚆矢とするのだが、史記 以降の紀伝体の流行により、漢籍では古代・中世を通じて長く日陰もののような扱いを受けていた。もっとも中世にも 『前漢紀』『後漢紀』など、編年体の史書はあり、帝王が家臣に「ためになるから読みなさい」と薦めるなど、一部では読まれていたのだが、 一般に流布していたとはいい難いものであった。

近世になって資治通鑑が登場し、編年体は復活する。編年体の史書は大抵資治通鑑の影響下にあり、「通鑑」ないし「鑑」の 字を付した編年体の史書が多く作られた。なお、『三国志演義』も資治通鑑の影響下にある通俗的な史書として捉えられており、「案鑑」 (資治通鑑準拠の意味)の二字を付した『三国志演義』の版本も存在したという(小川環樹『中国小説史の研究』)。