さて、岡田英弘氏の「中国人三国時代絶滅説」については、既に加藤徹氏(明治大学教授)が批判している。
戸籍登録人口の激減を額面どおりに受け取り、「華北の平原地帯では住民がほとんど絶滅した」(岡田英弘『だれが中国をつくったか』)と見なす研究者もいる。

しかし、当時、兵士や官吏の人口は一般の戸籍と区別されていた。政府の戸籍把握能力も、低下していた。

それらを考慮すると、おそらく、三国時代の実人口は、後漢に比べて半減していたと見積もられる。
(加藤徹『貝と羊の中国人』新潮新書) 
学者が正面切って名指しで批判するのはかなり珍しい。例えば本郷和人氏は相手がかなりの大家でなければ名指しで批判しないことを明言している(本郷『戦国武将の選択』産経新聞出版)。

加藤氏の指摘はかなり重要で、歴史書に登場する人口はあくまでも政府が把握している戸籍人口にすぎないのである。