群龍天に在り(webディレクターと歴史好きの雑記帳)

webディレクター兼雑誌記者の松平俊介が書いているブログです。

web技術者・web記者の松平俊介の江戸時代とweb技術についての雑記ブログです。web技術者の傍ら、雑誌記者として各種月刊誌・webメディア『ガジェット通信』に執筆してきました。 webの時事問題や、web制作、ウェブマーケティング、江戸時代史や『江戸しぐさ』批判などが主な執筆範囲。 これまで書いてきた主な記事→http://rensai.jp/author/touryuuuan

2015年05月

【トンデモない江戸しぐさ】直下型地震を予言する「ロクを利かせる」「なます講」

 私の記憶だと、直下型地震という言葉が一般に言われるようになったのは1995年(平成7年)1月17日に起き、甚大な被害と多くの犠牲者をもたらした「阪神淡路大震災」が契機だったと思う。

 ところが、 江戸しぐさではなんと江戸時代に直下型地震が知られており、それを江戸っ子が江戸しぐさで直下型地震を予知・予言し、対処するための「なます講」まで作られていたというのである!!現代の地震学もビックリである。
越川禮子『身につけよう!江戸しぐさ』KKベストセラーズ

P103 ◎地震にそなえた「なます講」

突然やってくるのが地震です。江戸の地震は六〇年に一ぺんは「なまずの天地がえし」といって、上下動の直下型地震と見極めて、城普請も石づくりの土台だけにしたといいます。倒れた時の圧死を防ぎ、下敷きになった人の救出や、後片付けを楽にするための配慮だったそうです。

建物もお城や大名屋敷には地震部屋、町には一定の間隔ごとに避震小屋に、はすかい(X字型)に組んだ支柱を入れるなどの建築様式を取り入れていました。

かねてより「なます講(「ず」と濁らない)」が編成されていて、ぐらっときたら「それっ!」と、直ちに救援活動、炊き出しが始められました。

いざというときにはマニュアルは無視して、「飛び越ししぐさ」で対処しなければならないのは百も承知。江戸っ子の身のこなしの素早さには定評があったそうです。

危急存亡の非常時には、お上は手が回らず、町方が自主的に協力しあい、相互扶助の助け合いがなければ命が助かりません。

こうした敏捷なおとなの行動を、後進の者たちは経験的学習から悟っていったのです。
江戸の教えに「稚児は予想できないから慌て、おとなは予想できるから慌てぬ」というのがあります。
これこそ江戸しぐさの真髄です。
ひと目先を読むひらめきを身につけるのが江戸しぐさですから。

これはちょっとあまりにもぶっ飛んだ設定で、当方も腰を抜かしたのであるが、しかし江戸っ子は何故地震予知が出来たのであろうか。

江戸しぐさでは、それを江戸っ子の超能力「ロク」によるものだとしている。
◎江戸しぐさ「ロクを養い、ロクを利かす」
「突然やってくる大地震を、ロクによって察知するとしないでは…ちがうでしょう?!」
江戸しぐさ
※越川禮子監修:新潟江戸しぐさ研究会構成・著、斉藤ひさお(マンガ)
マンガ版「江戸しぐさ」入門 より

そう、江戸しぐさは超能力だったのである!!もう、なんなんだか…
こういうものを教科書に載せる出版社も、なにを考えているんだろうか… 

なお、歴史的には江戸しぐさの伝承とは例によって反しており、
◎元禄16年11月23日(1703年12月31日)午前2時に発生した元禄地震は、直下型ではなく関東地震(関東大震災)と同タイプの海溝型地震。
江戸の損傷は軽微だったが小田原宿では死者約2,300名という。

◎安政2年10月2日(1855年11月11日)の安政江戸地震で「町方の死者は4293人、負傷者は2759人(町奉行所調べ)」を出しており、ロクを利かせた江戸っ子がいたわりには、多数の死者を出している。

江戸しぐさ「もったい大事しぐさ」

江戸しぐさ批判を随分やっているのですが、最近目につくのが「江戸しぐさ」を、明治期の、教派神道みたいな「作られた伝統」と同一視する風潮。 気持ちは分かるんですよ。でもねえ、教派神道(注)と江戸しぐさを比べるのは、江戸しぐさの買いかぶりもいいところです。

なにしろ、江戸しぐさには1970年(昭和45年)に山本七平がベンダサン名義で書いた「日本人とユダヤ人」の警句「水と安全はただではない」を換骨奪胎したものが、江戸しぐさ「もったい大事しぐさ」として登場するんですから。
越川禮子『身につけよう!江戸しぐさ』(ロング新書、平成18年初版)
P80「もったい大事しぐさ」ですべてを大切に
(前略)
江戸の人々は、「安穏と水はただでは得られない」と考え、みんなが節水に気を使っていました。
注)教派神道…「国家神道に対して、幕末期に起こり、明治時代に、教派として公認された神道系教団の総称。黒住教・神道修成派・出雲大社教・扶桑教・実行教・神道大成教・神習教・御嶽教・神道大教・神理教・禊教・金光教・天理教・神宮教の14教派で、神宮教が明治32年(1899)解散したため、一般に神道十三派と呼ばれた。教典・教会を備え、また、神道大教を除き、教祖もしくは創始者が存する点で神社神道とは区別される。宗派神道。」(デジタル大辞泉より) 
 神社としては、京都の神楽岡宗忠神社(黒住教)、御金神社(金光教系)、奈良の天理教本部、山梨の身曾岐神社(禊教)、東京の出雲大社東京分社(出雲大社教)など、幕末から明治時代に出来たものが多い。

大阪都構想住民投票雑感

  「大阪都構想なるものが情弱老人によって潰された」なんていうのは、維新側の宣伝に屈したメディアのヤカラが創りだした一種の神話に過ぎないと私は見ております。そもそも橋下氏も本心ではそれは信じていないでしょうね。
 
 だって、彼らが攻撃してたのはメルマガですよ。老人がメルマガを読むでしょうか?

 京都大学の
藤井教授がはじめに大阪都構想に疑問を表明したのはわずか部数2万8千部余の「三橋貴明の「新」日本経済新聞」という小さなメルマガでした。

こういうミニコミ誌にまで、党首自ら攻撃して、幹事長名で二度にわたって警告文書を出し、さらに
幹事長名義で、教授の上長の京大・山際総長へ、「藤井教授が国民の税金で研究活動を託される人物として適当なのか貴大学の考えを述べられたい。10日以内に文書による回答を求める」という詰問状を送ったというのもちょっとどうなのでしょうか。

 実は今回、大阪都構想に賛成したのはオールドメディアであるテレビと新聞が主なんですよ。反対派の拠点が逆にネットだったわけで。そこのところを勘違いしている人があまりにも多い。

 
大阪都が否定されたから「東京一極集中」という人はどうかと思います。名古屋があるがね!これは冗談ではなく、名古屋市のGDPが伸びておりまして大阪が橋下政権下においての内ゲバで疲弊している間にグングン発展しているのですよ。中京ワンチャンあるでということになっているかもしれない。

 
「平成7年と比較して、平成17年において大阪府市ともGDPが減少。 (逆に)愛知県・名古屋市とも一貫して伸び続けている。 (減少しているのは、大阪だけ) (愛知・名古屋の製造業がGDPを伸ばしている) 」という大阪府の調査結果、これ大阪で報道されたことあるのかな。

 いずれにせよ、否決されてよかったと思います。
 

日光の拝観料が高過ぎるという人のための裏ワザ

日光東照宮へ行った人の感想の中でも多いのが「東照宮の拝観料ってなんで1300円もするの?」ということだったりします。
「日光 拝観料 高い」でググって3万件くらい出てくるというのもちょっとすごいですよね。

元々は二社一寺(東照宮・二荒山神社・輪王寺)全部で1000円という「共通拝観券」というのがあったのですが、諸事情により今はありません。

で、二社一寺のそれぞれの拝観料を本気で全部払ったらどうなるか?
東照宮1300円+東照宮宝物殿1000円+東照宮五重塔300円+輪王寺(三仏堂+大猷院)900円+輪王寺逍遥園300円+二荒山神社神苑200円+神橋300円=4300円

なんと驚きの4000円超えです。

で、ここからが本題。出来るだけ拝観料を安くしたいと思っている人のために、裏ワザを紹介します。

1,拝観料無料のゾーンを主に巡る!
実を言いますと、以下のゾーンは拝観料が無料なんですね。

・輪王寺 大護摩堂 大護摩堂の裏の庭園 常行堂
・東照宮 入場料を取る門の前まで 五重塔外観
・二荒山神社 本殿


だから、拝観料なしでも結構お参りは可能なんですよ。
拝観料無料のゾーンの案内です。

輪王寺大護摩堂
輪王寺の三仏堂(改築工事中)の裏手にあるお堂です。
七福神と五大明王が祀られています。なかなかいい仏像ですよ。
不動明王は平安期の仏像だそうです。

P1030831
大護摩堂の前にあるポスター…堂内は撮影禁止なので…
私はここでお参りするだけでも満足です。御朱印もここで頂けますし…

大護摩堂の裏の庭園もいいんだよなあ。写真がとってなかったので
今度行ったら撮ってきますw

輪王寺常行堂は大猷院の前にあるお堂で、平安仏で国重文の阿弥陀如来像が美しいです。

東照宮は五重塔の外観だけなら無料ですが、ここぐらいは拝観料を払ってもいいかもしれません。五重塔内部はかなり感激するので。

二荒山神社は参拝は無料です。奥の「御苑」に入るのに200円かかります。

2,コスパのいいところだけ拝観する

コスパということを考えたら、実は日光の社寺はかなり問題があると思います。修理中の箇所も多いし。

東照宮も一番有名な陽明門が平成31年3月31日(東照宮ウェブサイト)まで修理中です
眠り猫・見ざる言わざる聞かざる(三猿)も修理中です。(眠り猫は今年いっぱい、三猿は平成29年3月まで)

なんでそんなんで高額な金を取るんだか。

私の先祖も東照宮はじめ二社一寺の造営に江戸時代に携わったのですが、今の状況は東照大権現を始めとする神仏を汚しているのではないかと思いますね。金儲けに走りすぎているように思います。高額の拝観料を払わないと参拝さえできないということを神様・仏様はお望みとは思えないんですよ。二荒山神社・輪王寺はまだ無料参拝が出来るからいいですけど、東照宮は問題だと思います。拝観料を払わないと中に入れない。参拝も出来ません。

(なお、月刊誌「HANADA」の2016年11月号に『日光東照宮を私物化する者』という告発レポートが出ています。実は東照宮は徳川家の持ち物ではありません)

私が回った日光の社寺の中で、これはコスパ良いわーと心から思えたのは輪王寺大猷院(たいゆういん)と東照宮五重塔ぐらいです。

 輪王寺大猷院は徳川家光を祀っている複数のお堂です。全部で550円ですが、東照宮より人が少なく、絢爛豪華な堂宇にわびさびが加わり、黒漆が美しい。何時間でも居て飽きないところです。夜叉の像もかっこいいです。修理中の東照宮に1300円払うのならこちらのほうがお勧めです。

例えば下の写真の国宝「大猷院本殿(金閣殿)」はよく日光の観光ポスターでも使われていますが、見てください、この絢爛豪華さ。別名の金閣殿はそのものずばり金で覆われているからです。

画像はウィキペディアより引用。

私がいった時には二天門が修理中でしたが、修理も終わったようです。この門、実は陽明門より大きな絢爛豪華な門です。

二天門
(画像は輪王寺公式サイトよりキャプチャー http://rinnoji.or.jp/precincts/taiyuin)


 東照宮五重塔は300円ですが、係員の方がつきっきりで説明してくれる上に彫刻が見事で、堂内の仏像も見せてくれ、最後にかっこいいクリアファイルもくれます。(なお、この五重塔は内部拝観は「特別公開」扱いでいつ終わるかわからない状態で、詳しくは現地で聞いてみてください)

 二荒山神社の御苑は湧き水と化燈籠に大黒様の像、御神刀と子供だましの輪投げかなんかがあるだけで、これで200円はどうかと思います。湧き水を保護する目的なのでしょうか?

 輪王寺の三仏堂も解体修理中で、見てもふ~んという感じです。

 輪王寺の宝物殿はかなりちゃちです。庭園が素晴らしいので紅葉の時だけはいいと思います。

 神橋は渡るだけで300円です。

 というわけで、私がおすすめなのは輪王寺の大護摩堂(無料)+大猷院(550円)+二荒山神社(無料)です。

(2016年10月30日 加筆訂正)
 

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